スマートフォンの保有率が高く、インターネットを見て気軽に情報を得たり、オンライン上で買い物をしたりすることが、当たり前の時代になってきました。それに加え、新型コロナウイルスの影響で外出を控える人が増えています。しかし、実店舗がなくなるわけではなく、消費者はオンラインとオフラインをうまく使い分けて利用しています。こんな時代だからこそ、企業側もオンラインとオフラインの境目をなくし、情報を一元化して、顧客ひとりひとりに寄り添ったサービスや商品の提供をしていく必要があります。
そこで注目されているマーケティング手法のひとつがOMOです。OMOとは何か?具体的に何ができるのかなどをご紹介します。
◆OMOとはなにか?
OMO とはOnline Merges(with) Offlineの略であり、「オンラインとオフラインの融合」という意味があります。2017年に中国の李開復(リ・カイフ)氏が提唱したもので、オンライン(インターネット)とオフライン(実店舗)の境界線をなくして、より充実したサービスや商品を顧客に提供することで、顧客体験の向上を目指すマーケティング手法です。
◆なぜOMOが注目されているの?
現代ではスマートフォンを持っている人が非常に多く、常にオンラインでつながっていて、完全なオフラインはほぼない状態であるといえるでしょう。このように、そもそも、オンラインとオフラインの境目がなくなってきているところに、コロナ禍によりリアルな店舗での集客が難しくなってきていることも、OMOが注目される要因となっています。中国では事例も多く、アリババ傘下のスーパーマーケットや保険会社などで、取り入れられています。日本でも徐々に浸透してきており、アパレル関係やメガネ店、コーヒー販売店などがすでに取り入れています。
◆OMOを取り入れるとどんなことができるのか
例えば、洋服を買うときに、実際に手触りや肌触りを確認したり、自分の体形にあうか試着したりしたいときは、実店舗(オフライン)に出向き、手に取って確認してからその場で服を購入することもあるでしょう。すでに同じ服を持っていてデザインやサイズ感が分かっているので、見たり着たりせずにECサイト(オンライン)のサイトから購入する、一度店舗で見て試着した洋服を、あとからECサイト(オンライン)で購入する、ということもあるでしょう。このように、消費者は知らず知らずのうちにオンラインとオフラインの境目がない行動をとっています。企業側は、OMOを取り入れて実店舗とECサイトで顧客の情報を一元化しておけば、店舗、ECサイト問わず、この顧客がいつ、どんな服を購入したのかが把握できて、その顧客の趣味嗜好がより鮮明になります。そして、その情報に基づいて顧客にあったサービスや商品を提案すれば、顧客が求めるものに近いサービスや商品を提供でき、結果的に顧客満足度を上げることにつながるのです。
いかがでしたか?オンラインとオフラインの融合であるOMOは、まさに今の時代にあったマーケティング手法でしょう。しかも、OMOは企業だけにメリットがあるわけではありません。情報を一元化し、その情報をもとにひとりひとりの顧客にあったサービスや商品を提供して、顧客体験の向上を目指すことが目的ともなっているように、消費者にとっても十分にメリットあるといえるのではないでしょうか。自社でも何かできることがないか、検討してみてはいかがでしょうか。