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味噌を食べて、もっと健康になる

日本の伝統食材の代表選手といえば味噌。近年、多くの研究機関で、その免疫効果などが実証され、健康で長生きの大切なサポーターとして注目されています。今月は味噌の強力なパワーについてご紹介します。

 

●活性酸素を退治する味噌

 

人体を老化させる有害な存在として、広く知られている活性酸素。体内細胞を老化させたり、遺伝子を破壊して疾病の原因を作ります。

若返りには活性酸素の退治が必要ですが、そのために取り入れたいのが抗酸化物質です。大豆や味噌に含まれるサポニンはその代表選手。特に味噌のサポニンは大豆そのものに含まれるサポニンより、活性酸素の消去能力が高いことが知られています。

また3年、5年と熟成させた濃い褐色の味噌に多く含まれるメラノイジンには、活性酸素の高い消去作用があります。この他、メラノイジンには血糖値を下げ、インスリンの分泌を盛んにするなどの実験結果もあり、糖尿病予防の効果も期待できます。

この他、味噌に含まれるペプチドは中性脂肪を減らし、血圧上昇ホルモンの生成を抑える作用があることも研究結果で明らかになっています。

 

●味噌は女性の健康のパートナー

 

味噌は女性の健康にも注目の存在です。厚生労働省の10年にわたる調査結果によると、味噌汁をたくさん摂る人(1日2杯以上)は、あまり摂らない人(1日1杯以下)に比べて乳がんの罹患率が低いのです。

その理由として考えられるのが、味噌に含まれる大豆由来のイソフラボンです。この物質は、化学構造が女性ホルモンのエストロゲンとよく似ています。これを多く取り入れることで、乳がんの発生に関係する女性ホルモンの分泌過剰を抑える効果があると考えられています。イソフラボンには肩こりや骨粗鬆症の予防効果も期待できるので、まさに一石二鳥です。

また味噌に含まれる遊離リノール酸はシミ・ソバカスのもとになるメラニンの合成を抑制するという研究もあり、女性にとって欠かせない食材といえるでしょう。 

 

●赤味噌は朝に、白味噌は夜に

 

味噌は製造時の発酵過程でたんぱく質が分解され、体内で吸収されやすい形になっています。また野菜や魚介・海藻などを入れた具沢山の味噌汁を作れば、湯の中に流れ出してしまう栄養素も残らず食べることができるので、これほど効率の良い調理方法はありません。

一般的な米味噌には、大豆の配合率が高めの赤味噌、低めの白味噌があります。赤味噌にはイソフラボンが多いので、朝食の時に摂って、1日をパワフルに過ごしましょう。一方、白味噌には脳の興奮を抑えるGABAという神経伝達物質が含まれています。夜遅くの食事には白味噌の味噌汁で、心を静かに落ち着かせましょう。

 

以上、味噌の底知れぬパワーをご紹介しました。栄養素を上手に摂るための効果的な食材として、味噌をますます活用したいですね。