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自然の様子から天気を占う

「観天望気(かんてんぼうき)」という言葉をご存じですか。雲の形や空の様子、動物や昆虫などの行動から天気を予想することを「観天望気」といい、現在でも漁師や山岳関係者などの間で重用されています。

春になり、海山へでかける機会も増えます。いざという時に役立つ、経験的な天気予報についてご紹介しましょう。

 

●空と雲の様子から天気をみる

 

「観天望気」の基本は空や雲の様子を見ること。「夕焼けが美しく見えたら、翌日は晴れになる」などは代表的な予測です。夕焼けがきれいなのは、太陽が沈む西の空に雲がないから。天候は西から変わることが多いので、西空が快晴なら、翌日の昼間も天気がよくなるというわけです。

空に飛行機雲が見えたけれど、すぐに消えてしまった。そんな時は翌日、どんな天気になるでしょうか。

飛行機雲は飛行機の排気ガスと水蒸気からできています。これがすぐに消えるときは上空の湿度が低く、雨が降りにくい状況になっています。したがって翌日は晴れやすいと想定できます。

空にうろこ雲が見えたら、低気圧が近づいている証拠です。翌日の天気は雨になる可能性が高いので注意しましょう。また富士山などの高い山の頂上に傘状の雲がかかっていた場合は、24時間以内に雨が降る可能性が高いといわれています。

 

●身近な生き物が教えてくれる天気

 

4月から7月にかけて巣を作り、産卵するツバメは都会でもよく見かける、身近な野鳥です。このツバメが低空飛行をすると、翌日は雨になるという「観天望気」があります。理由は餌になる昆虫の様子が変化するから。雨の前は湿度が高くなり、昆虫の羽が湿気を帯びて高く飛べなくなります。その結果、虫を捕食するツバメも地面近くを飛行するというわけです。

また猫がひげをよく触ると、翌日は雨になるといわれています。猫のひげは空気の流れなどを敏感に感じる繊細な感覚器です。湿気が高くなると、大切なひげにはりがなくなり、感性が鈍るので、前足でこまめに整えるという説があります。

蜘蛛が巣を張ると雨が降らないという「観天望気」も有名です。蜘蛛の巣は雨や風に弱く、すぐに壊れてしまうので、快晴の日を狙って巣を張ると言われています。

 

 

●人の体から予測できる?

 

また人間も動物の一種ですから、五感で「観天望気」ができます。

たとえば遠くを走る車や電車の音がよく聞こえるときは、まもなく雨が降りだします。空気中の湿度が高くなると、音が伝わりやすくなるからです。また髪の毛は湿気を帯びると膨らんで、自然とカールした状態になります。髪の毛をくしでとかして、「普段よりひっかかるな」と思ったら、翌日は雨が降る可能性大です。低気圧が急に近づくと、古傷が痛んだり、頭痛がする場合も。このように体調の変化で雨雲の到来を予測できるのです。

 

以上、代表的な「観天望気」をご紹介しました。ぜひ五感で自然を感じて、天気の予測に役立ててください。