余暇の過ごし方は人によって様々ですが、いつでも気ままに始められて、健康にも良く、お金もかからない。そんな理想的趣味のひとつが「お散歩」です。旅行というほど、気負わずにでかけられ、しかも歩いていけば適度な運動になります。好きな街、気になる町まで電車やバスを使ってでかけ、あとは街並みをのんびり散策するという方法も楽しいもの。書店に行けば、散歩好きの人のための雑誌や、よい散歩ルートを紹介する観光ガイドがたくさん出ています。それらをチェックしながら、マイ散歩を実践してみると、思いがけない発見や出会いがあるかもしれません。
さて、そんな数ある散歩スタイルの中で、今月は郵便局をめぐって歩くお散歩をご紹介しましょう。
●郵便局をめぐるお散歩
郵便局をめぐって歩く散歩は別名「局めぐ」といいます。
「局めぐ」をする人たちの楽しみといえば、「風景印」を集めること。これは切手に押される消印に特別な絵柄が入ったもので、設置された郵便局ごとにデザインが異なります。すべての局が用意しているわけではありませんが、現在、全国で1万個以上の「風景印」が存在しています。
風景印は、通常の数字だけのものとは異なり、様々な絵柄がデザインされています。たとえば「芝郵便局」なら東京タワーと増上寺の絵柄、「赤坂郵便局」ならアークヒルズと迎賓館の絵柄、「横浜中央局」なら横浜ベイブリッジ、「鎌倉郵便局」なら、当然、大仏様の絵柄です。
●手紙がよい思い出になる
「風景印」をもらうには、適当な用紙に52円以上の切手を貼り(普通の官製葉書でもOKです)、窓口で「風景印をください」と声をかけてみましょう。すると職員が直径36ミリの特別なハンコを出してきて、あなたの持参した用紙にしっかりと消印を押してくれます。これを集めて歩くのが「局めぐ」ならではのお楽しみです。
「風景印」には郵便局周辺地域の名物がデザインされているので、ちょうどいいお散歩のお土産ですし、その日の日付が入るので、さらに特別なメモリーになることでしょう。通常の手紙として発送できるので、自分宛に一通、友達にも一通。ポストに特別な消印付きハガキが届いたら、誰もがきっと喜んでくれます。
また、もしあなたに登山の趣味があれば、富士山頂郵便局へでかけてみましょう。1931年に設置された日本で初めての「風景印」を押して貰うことができます。
●事前にルートを作って遊ぶ
行きたい町を先に決めて、郵便局を数カ所チェックし、散歩コースを地図上で作ってみるのも楽しいものです。
どの郵便局にどの「風景印」があるか、事前に調べてみたい人は、「風景印」好きの人が愛用している専門書『風景印2014』(株式会社鳴美発行)をチェックする方法も。全国の風景印の絵柄と郵便局名が収録してあります。また風景印の更新や廃止に関する最新情報は日本郵便のHPで確認できます。
こだわり派は「風景印」の絵柄に合わせた切手や葉書などを事前に準備して「局めぐ」をします。切手と「風景印」と絵葉書の絵柄がマッチした手紙を受け取ったら、相手もきっとびっくりしてくれるにちがいありません。
町の中を見回してみると、どこでもたいてい1つは郵便局があるものです。ふらりと訪れて「風景印」をぺたっと押して貰い、あとは町をゆっくり散策。そんな新しい、そしてアナログなお散歩スタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。新鮮な「街」発見があるかもしれません。