ウェブ上で商品の販売やサービスをする際に、顧客がどんなサイトにいつ何回訪問しているのかといったことを知ることができるCookie(クッキー)をマーケティングに活用している企業も多いことでしょう。
しかし、Googleは2020年1月にWEBブラウザ「Chrome」でサードパーティCookieの利用を規制すると発表し、apple も2020年3月に「Safari」でのサードパーティCookieをブロックするなど、Cookieに関する規制が徐々に高まってきています。
Cookieとはどのようなものなのか、規制されることとなった背景、今後どのような対策が考えられるのかご紹介します。
◆Cookieとは
Cookieとは、サイトのサーバーが発行する小さなファイルのことで、パソコンやスマホなどのブラウザに、自分がいつどのサイトに何回訪れたのかといった情報が保存されます。Cookieを有効にしておくことで、ショッピングサイトなどで一度ログインしておけば再度IDやパスワードを入力せずにログインできたり、以前カートに入れた商品がそのままカートに残っていたりといったことが可能になります。
Cookieには、ファーストパーティCookieとサードパーティCookieがあります。
ファーストパーティCookieは実際に今訪れているウェブサイトのドメインから発行されるもので、サードパーティCookieは訪れているウェブサイトに掲載されている広告などのドメインから発行されるものです。
今回「Chrome」で規制される予定があるのは、サードパーティCookieです。
◆サードパーティCookieを規制する背景とは
サードパーティCookieは複数のサイトを横断してブラウザを見た履歴を追跡し、その人がどのような商品に興味、関心があるか、どのような情報を求めているか、といったことを知ることができるため、その情報を生かして効率的な広告表示をするのに使われてきました。
しかし、サイトの利用者からみれば、自身のサイト上での動きを追跡されることにより、住所や氏名などは別としても、個人の趣味嗜好といった情報が勝手に収集されてしまいます。プライバシー保護の観点から望ましくないのではと考えられるようになってきています。
Googleは2020年の発表当時は22年中に段階的に終了する予定でしたが、現在は23年をめどに廃止するとしています。
◆マーケティングへの影響
広告を出稿し、そこから得たサードパーティCookieを利用し、個人がどのようなことに興味があるのかを推測し、それにあった広告をウェブサイトに掲載することで、効率的にマーケティングを行ってきたという企業があるでしょう。しかし、「Chrome」でサードパーティCookieが削除されるとなると、それが使えないということになります。
そのための対策として、
○新規顧客を増やすだけでなく、自社のサイトに訪れてくれた人や1回でも購入したことがある人、リピーター客を大事にして、継続して購入してもらえるようにする
○検索などからサイトに訪れてもらえるよう、より見やすい、より使いやすい、より興味を持ってもらえるようコンテンツを強化する
といったことが考えられます。
基本に立ち戻るということも必要になるのではないでしょうか。
いかがでしたか?2023年中にChromeでのサードパーティCookieが廃止になる予定であることから、もうしばらく時間的猶予はあります。しかし、実際に廃止になってから対策するのでは遅い可能性も大いにあるでしょう。サードパーティCookieの廃止が自社にどのような影響があるのかを調べ、それにともなってどのような対策が考えられるのか、今一度調べてみていかがでしょうか。