ウェルビーイング(Well-being)は、直訳すると「幸福」という意味があり、肉体的、精神的、社会的に満たされた状態にあることを指す概念です。今の時代、新型コロナウイルスの流行や働き方改革、人材の減少などで、働き方が多様化してきていることもあり、日本だけでなく世界の企業から「ウェルビーイング」が重要視されてきています。そこで、ウェルビーイングとは?今注目される理由、企業にとってどんなメリットがあるのかをご紹介します。
◆ウェルビーイングとは?
ウェルビーイングとは、直訳すると「幸福」という意味があります。ここでいう幸福とは、瞬間的なものではなく継続的なものである、ということが重要です。ウェルビーイングが初めて言及されたのは、1946年のこと。61か国の代表によりニューヨークで署名された「世界保健機関(WHO)憲章」で提唱されました。その前文では「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。」と定義されています。
◆今ウェルビーイングが注目される理由
なぜ、今の時代にウェルビーイングが注目を集めているのでしょうか。いくつかの理由がありますが、その中から3つの理由をご紹介します。
1)新型コロナウイルスの流行
誰もが予想すらできなかった、新型コロナウイルスの流行。これにより、テレワークという働き方が浸透し、業務効率が上がったという例も多くみられました。しかしその反面、コミュニケーション不足が起こり、強いストレスや精神的なダメージを受けるなど、心因的な問題が浮き彫りになりました。新型コロナウイルスが、ウェルビーイングの必要性を見直すきっかけともなっています。
2)働き方改革の推進
働き方改革が推進されていることもあり、徐々にですが働き方も柔軟かつ多様化してきています。終身雇用制が当たり前ではなくなりつつあり、よりやりがいを感じることのできる職場が求められるようになってきています。そのため、社員が気持ちよく働ける環境作りは、企業にとって欠かすことができないでしょう。
3)SDGs(エスディージーズ)への組み込み
近年よく聞かれるようになったSDGsという言葉。これは、2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までにより良い世界を目指す、持続可能な開発目標のことです。SDGsには、全部で17のゴールがありますが、その中に「すべての人に健康と福祉を」という項目もあり、ウェルビーイングへの注目が高まっていることが分かります。
◆ウェルビーイングがもたらす企業にとってのメリット
個々が継続的な幸福を感じることができる、ということが重要なウェルビーイングですが、メリットがあるのは社員だけではありません。例えば、ウェルビーイングにより、心も体も健康であれば、仕事へのモチベーションが向上し、社内に活気が出ることでしょう。また、仕事にやりがいがあれば、自然と効率もあがるでしょう。また、社員が気持ちよく働くことができれば、離職率の低下にもつながることが考えられます。このように、ウェルビーイングを実践することは、企業側にも大きなメリットがあると考えられます。
◆企業ができるウェルビーイングへの取り組み
企業がウェルビーイングへの取り組みを考えた場合、できることはいろいろあるでしょう。例えば、良質な睡眠・食事をとるための支援、健康やメンタルに関する面談と健康対策の実践、禁煙の促進、運動不足解消への取り組み、働く時間や場所の選択制を取り入れる、など、さまざまなことが考えられます。
いかがでしたか?70年以上も前に提唱されたウェルビーイングですが、今の時代にあった考え方であり、ウェルビーイングの実現のために取り組んでいる企業も増えてきています。個人が肉体的にも精神的にも充実し、本当に幸せだと感じることは、最終的には、仕事の効率アップ、企業への貢献へとつながることでしょう。ウェルビーイングについて、どんなことができるのか考えてみるのもいいかもしれません。