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パンダが「ワン」と鳴くってホント?

いよいよ桜の季節の到来です。JR上野駅近くの上野恩賜公園は東京の桜の名所ですが、お花見のついでに上野動物公園を訪ねるのも一興です。そして、ここでの人気者はなんといってもジャイアント・パンダ。のんびり笹を食べている様子を見るだけで、ホッとした気分にさせられるほのぼのパワーがパンダの魅力かもしれません。今月はおなじみの動物、パンダの意外と知られていない生態についてご紹介します。

 

●レッドリストに指定されたパンダ

 

現在、存在が確認されている野生のパンダは、中国四川省などの竹林に暮らしています。その数は約1600頭で、国際自然保護連合のレッドリストでは絶滅危惧種に指定されています。化石調査によって、パンダは300万年ほど前から中国の広い地域で暮らしていたことがわかっていますが、もともと繁殖力が弱い上、中国の経済発展などの影響で環境破壊が起き、保護活動はあまりうまくいっていません。

現在は中国各地の動物園などで約300頭が飼育され、日本では和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで7頭を飼育。一番若いパンダは2016年9月に生まれたばかりの小さな赤ちゃん、「結浜(ゆいひん)」ちゃんです。そして東京都恩賜上野動物園に2頭、神戸市立王子動物園に1頭のパンダがいます。ちなみに王子動物園とアドベンチャーワールドも桜の名所なので、パンダと桜は相性がいいのかもしれませんね。

                          

 

●パンダの手脚が黒い理由とは?

 

パンダの先祖は肉食の熊ですが、天敵などを避けるために中国山岳地帯で暮らすようになりました。餌が手に入れにくい環境だったため、一年中、摂食することのできる笹が主食になっていきました。しかし線維部分は消化できず、食べた笹の8割はふんとして排出されてしまいます。したがってふんの中には消化できなかった笹がたくさん含まれ、少しも臭くありません。約100キロにもなる大きな体を維持するため、パンダは日中、ほとんど動かずに笹を食べ続け、1日の半分を眠って過ごします。

パンダといえば、あの白黒模様が特徴ですが、なぜこのような色合いになったのかはいまだに謎のままです。耳や手脚の末端を黒くすることで熱吸収をよくして、体が冷えないようにしているという説、雪深い山の中ではモノトーンの方が目立たず、身を隠しやすいという説などがあります。

 

●パンダの指はいったい何本ある?

 

動物園で見かけるパンダは笹を食べているか、寝ているか、木に登ったり水浴びをしたりという程度で、おとなしく静かな印象です。それでも10種類くらいの鳴き声が知られていて、発情期には羊のようなメェーという声を出したり、怒るとワンと鳴いたりします。

パンダの手と足には、他の熊と同様5本の指がついています。しかし、これでは上手に竹を掴んで食べることができません。そこで手首の骨の一部がコブのように大きくなり、親指代わりに竹を掴めるようになっています。また近年、小指側にも小さな骨の膨らみが確認され、それぞれ通称「第6の指」「第7の指」と呼ばれています。

 

以上、パンダの様々な生態についてご紹介しました。春のお散歩に動物園にでかければ、新しい視点からパンダの姿を楽しめるかもしれません。