1965年6月に「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」が調印され、同年12月に批准書を交換。日韓両国の国交が正常化しました。今年は日韓国交正常化50周年で、記念切手の発行や各種イベントが企画されています。日本政府観光局のデータを見ると、2015年5月に日本を訪れた韓国人は約30万人。1年前の同月は約20万人で、約60%も伸長しています。
隣国ということもあり、キムチやビビンバなど食文化が古くから紹介され、韓国のことは知っているつもりで、案外、日常生活にまつわる知識が乏しいもの。暮らしやコミュニケーションに関する韓国文化発見トピックスをご紹介します。
●食事の時のスプーンの使い方
韓国で食事をすると、必ず箸とスプーンが用意されています。日本人の感覚だと、ご飯茶碗は手に持って、箸で食べるもの。しかし韓国では食器は手に持たず、テーブルの上に置いたまま、スプーンでご飯をすくって食べるのです。韓国ではスチール製の食器が多く使われるので、手で触ると熱いこともあり、合理的なマナーです。日本流に手で持って食べると、ガツガツしていると思われるので注意しましょう。
●挨拶のしかた
伝統的なマナーでは、日本と同様にお辞儀をするのが挨拶の基本です。ただ西洋式が入り始めてから、ここに握手文化が浸透。ビジネスシーンなどでは握手をしながら、軽く頭を下げてお辞儀をするという方法が一般的になっています。
また儒教の影響の強い韓国では、目上目下の感覚を意識することも大切です。握手の時は、まず立場が上の人から手を差し出します。男性が女性と握手するときは、あまり強く握りしめず、軽く触れるくらいにとどめるのが礼儀です。ちなみに宴会の場でも年長者、上司を立てるのが当たり前。目上の人より先にお酒を飲まないよう注意しましょう。お酒をつぐときは、ボトルを右手で持ち、左手は右手に添えておきます。手酌やお酒のつぎ足しはNGです。
●贈り物のマナー
日本ではお中元、お歳暮の時期になると、お世話になった方々へ贈り物をすることが一般的です。韓国でも旧暦8月15日の「秋夕」(先祖を偲ぶ日の意味)と旧正月が贈り物シーズン。この時期、お土産を持って田舎に帰省する習慣があり、これは日本と共通です。ただし韓国では「秋夕」になると、日頃の仕事に対する感謝やねぎらいという意味で、会社が社員に贈り物をしてくれるのです。「今年はなにをくれるのかな」と楽しみにする会社員たちを見ると、羨ましい限り。部下から上司へ贈り物をするという日本式は、「相手にゴマをすっている」と誤解されるので気をつけましょう。
●電車の中で
目上の人を大切にする韓国では、混雑した電車の中で若者がスッと席を立って、高齢者に譲るのは当たり前の光景です。また座っている人が前に立っている人(見ず知らずの他人であっても)の荷物を自分の膝の上にのせて、持ってあげるという行為も珍しくありません。特に女性には重いものを持たせないという考えがあるのです。
以上、韓国の生活習慣をご紹介しました。今後、ますます関係が深まる隣国を知り、積極的なコミュニケーションを取っていきたいものです。