最近は手紙を書くことがめっきり減りました。しかしビジネスレターは今でも必要な存在ですし、手紙の知識はメールを書く上でも活用できます。今月はぜひ知っておきたい手紙の知識について解説します。
●手紙には書式がある
手紙の書き方には決まった書式があります。これを知っておくだけで、きちんとした手紙が簡単に書けるので、便利な情報として活用しましょう。
まずは「前文」です。ここでは時候の挨拶などを記しましょう。次が「主文」です。「さて」「ところで」などと話題を変え、手紙で伝えたかった内容を書く部分です。最後が「末文」で、ここには相手の健康や活躍を祈る言葉を書いていきます。さらに末尾部分には「後付け」として手紙を書いた日にち、自分の名前、先方の名前を書きます。
●「頭語」と「結語」を知ろう
手紙を書くとき、「前文」の冒頭には「頭語」を置きます。もっとも一般的な「頭語」は拝啓、謹啓、啓上など。これに対応するように、「末文」にも「結語」を置いて、全体のバランスを取ります。
「頭語」として拝啓などの言葉を入れたら、「結語」は敬具、拝具などが適当です。「頭語」には「一筆啓上もうしあげます」という和語もあります。これを使ったら、「結語」では「かしこ」という和語を同様に入れると、よい形になります。
●間違った敬語は使わない
せっかくの手紙ですから、丁寧な言葉を使いたいもの。とはいえ間違い敬語をうっかり繰り出すと、やはり恥ずかしいものですし、先方にも不愉快な思いをさせるかもしれません。ついやりがちな敬語の間違いをご紹介します。
何かの相談事にのってくれた先輩、上司に対して礼状を書くとき、「いただいたお話は大変、参考になりました」と書きたくなるところ。しかし「参考」とはあくまで自分の決断を下すための参考資料程度という意味になります。「お話は大変、勉強になりました」と返すのが正解です。
メールなどでも間違いそうなのが「いつもお世話さまです」という言い回しです。軽い言葉なので、目上の人には使いません。「いつもお世話になっております」が正解です。
「感心」という言葉も要注意です。目上の人に対して「大変、感心いたしました」という書き方をすると、上から目線でものを言っているととられる危険性もあります。「大変、感銘を受けました」という言葉が無難でしょう。同様に目上の人に「教える」という言葉を使うのもNG です。実際には「教える」という作業があったとしても、「いつでもご説明いたします」という言葉で言い換えてください。
以上、手紙の基本形と間違いがちな敬語について解説しました。新年はぜひ手紙を書いて、コミュニケーションの場を広げたいですね。